PROJECT

プロジェクト一覧

LHS研究(1)診療プロセスデータに基づくICTを用いた医師を中心とした医療者の業務負担軽減手法に関する研究

医師を中心とした医療者の業務・削減/負担軽減(Reducing Clinician Burden)を目的としたタスクシフト/シェアが社会課題となっています。本研究では、医師業務負担軽減のあるべき姿を広い視野から考察すると同時に、診療プロセスデータとしての標準型クリニカルパスシステム(ePath)と、ICT(医師行動識別アプリや問診支援システムなど)を用いて、データに基づいた医師の業務負担軽減の実証を行っています。データ解析の結果で業務削減、他職種へのタスクシフト/シェア、あるいはICTへの置換をePath改定で実施するLearning Health System(LHS)の実証試験を行い、医師の業務負担軽減全体の医療への影響、つまり医療の質や安全性に関しての影響や、他職種の業務への影響(看護師の業務量、検査技師の病棟業務の拡大)について検証しています。ePathは、日本医療情報学会標準規格へ認定され、保健医療福祉情報システム工業会によりePath実装ガイドが策定されました。標準的な業務改善手法としての普及が期待されます。

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LHS研究(2)ヘルスケアプロセス管理に関する国際標準化と個別化 Learning Health System アプリケーションの研究開発

我々は診療プロセスの管理モデルとして診療行為を最小単位としてのOATユニット(アウトカム、アセスメント、タスク)で構造化したアウトカム志向型クリニカルパス(ePath)を開発・実装してきました。ePathにより診療プロセスの可視化と効率的な解析ができ、解析結果を迅速に臨床現場にフィードバックするLearning Health System (LHS 医療のPDCAサイクル)により医療プロセス改善、医療者の負担軽減や分散型臨床試験への活用、RWD解析の質の向上が可能となることを示してきました。本研究開発ではePathシステム上で共通するOATユニットを介して病院情報システムにおける外来LHSと連携したPHR上の個別化LHSアプリの研究開発と実証、個人の健康管理から診療支援までの相互運用性が担保された医療・健康管理プロセスモデルの国際標準の策定と国際規格化を目的としています。開発したシステムにより医療提供側と個人側の医療健康情報を統合的に扱うことが可能となり個別化LHSが促進され、診療の質の向上、生涯にわたるヘルスケアプロセス管理への応用とヘルスケア産業全体のイノベーションの促進が期待されます。

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グローバルヘルス研究(Portable Health Clinic(PHC))

九州大学のグローバル ヘルスケア チームは、学際的な研究者で構成され、基本的な医療サービスへのアクセスを増やすための先進技術の開発と展開に取り組んでいます。 これは、医療分野、特に発展途上国の農村地域で新たな雇用の機会を創出するための持続可能な社会的ビジネスモデルの設計にも貢献します。 さらに、この研究チームは産官学とのパートナーシップの構築にも貢献しています。
本研究で開発した基盤技術は、遠隔医療サービスを提供するデジタルヘルスケアシステム「ポータブルヘルスクリニック(PHC)」です。 当初は、非感染性疾患 (NCD) に特に焦点を当てたプライマリケアのために開発されました。 遠隔病理学、遠隔アイケア、母子医療、新型コロナウイルス感染症 (COVID-19) などの新しいモジュールが徐々に追加されています。 現在までに、PHC の研究と活動は、バングラデシュ、カンボジア、中国、インド、インドネシア、リベリア、マレーシア、パキスタン、タイ、ザンビアを含むさまざまな国で拡大されています。

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グローバルヘルス研究(TEMDEC アジア遠隔医療開発センター)

コロナ禍を通じて、改めてグローバルヘルスの重要性が認識されましたが、依然として世界には国家間や地域間における医療格差が存在しています。九州大学病院は2003年から医工連携を活用してインターネットを用いた国際遠隔医療活動を数多く実施し、最新の医療に関する知識や経験の共有を図ってきました。本プロジェクトでは遠隔医療プログラムの拡充や地理的拡大を推進すると同時に、近年目覚ましい進歩を遂げているAIやVRといった最新のICTを活用した、より効果の高い遠隔での教育や診療を探索・研究し、それぞれの地域の医療ニーズに合わせたオーダーメイドの遠隔医療を展開することで、世界中の医療格差を解消することを目指します。

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